「Pieces」
1999年6月2日、L’Arc~en~Ciel シングル「Pieces」が、マキシシングルCDとして発売されました。発売直後のオリコン週間シングルチャートで1位を獲得。通算7作目となる首位を獲得。初週売上枚数は約48.4万枚、累計売上枚数は73.5万枚を記録しています。
作詞、作曲、編曲
作詞 : hyde 作曲 : tetsu
編曲 : L’Arc~en~Ciel & 岡野ハジメ
どんな曲?
ゆっくりと壮大な広がりを感じる曲調。歌詞もhydeの歌い方も優しく 心に沁みわたるようなバラード曲。
収録アルバム
「Pieces」は、後の1999年7月1日に発売されるアルバム『ark』のラスト、11曲目に収録されています。ラルク アルバム『ark』 もご覧ください。
タイアップ
1999年7月24日から放送された ソーテック「e-one 500」のCMソングとして採用されました。ソーテックは 今では化石となっているブラウン管テレビのような一体型パソコンのパソコンメーカーでした。
カップリング曲「fate -fake fate mix-」
「Pieces」のカップリング曲として収録されました。この曲は先にリリースされていた『HEART』のアルバム曲「fate」をyukihiroがリミックスした曲です。kenにギターの音を入れてもらったりアレンジするために、何度か文通のようにやり取りして作成されました。
作詞、作曲、編曲
作詞 : hyde 作曲 : ken 編曲 : yukihiro
どんな曲?
単調なリズムでありながらデジタルチックな音がふんだんに取り入れられ不思議な浮遊感のある曲調。原曲とは全く違うイメージのスローテンポな曲。
エピソード
1998年だけでもシングルを7曲リリースしており、1999年4月に「HEAVEN’S DRIVE」をリリースしたばかりであったことから、ラルクは「シングルを出し過ぎている」と感じていました。そのため、この曲のシングル化は一旦 白紙化されましたが、レコード会社のスタッフがこの曲を気に入り シングル化を推薦したことでリリースが決定しました。
下の写真は「Pieces」の販売促進品の万華鏡です。覗くと先端の球体ガラスから景色を取り込んで、4枚写真のようにキラキラいろんな模様が見えます。
tetsuの「Pieces」への想い
tetsuは1998年2月25日にリリースされたアルバム『HEART』の最後の曲「あなた」が好きで、この曲を超えるような名曲を作りたいという想いがありました。作成に一番苦労したというだけあり、コード進行や転調、シンセサイザーなどを駆使しています。
tetsuは「Pieces」を 自分の祖母を想って作っているそうです。hydeに歌詞を託す際に「こういう思いで曲を書いたから、こういう歌詞が乗ると嬉しい」と伝えたそうです。
hydeの「Pieces」への想い
作詞を担当したhydeは、曲を聴いて 時間の流れや時間を超えて生命が受け継がれていく「親になった気分」で作詞をしています。
「Pieces」の和訳は「(複数の)かけら」であることから「親から見た子ども」を表したタイトルとなっています。このタイトルにtetsuは「ばあちゃんの孫、ばあちゃんのかけらが僕。だからこれ、僕的には恋愛の歌じゃないんですよ」と語っています。
受賞したミュージックビデオ
「Pieces」の映像はイタリアの島の屋敷に住む孤独な老人が、自らの悲運を嘆き1本の剣に呪いをかけたことから、人手に渡るたびに次々と人の命を奪っていく。100年後の1999年ニューヨーク、その剣を手にしたhydeは建物の回転扉に入っていくtetsuの背中に剣を突き刺してしまい…。ヒゲをはやしたhydeが教会で懺悔をするような演出もあり 100年にわたる壮大なストーリーとなっています。
tetsuを刺すときにhydeは耳元で何か囁いていますが、これはhydeのアドリブで「アブラカダブラ」と呪文をつぶやいています。
この映像は1999年 音楽専門チャンネル『スペースシャワーTV』が主催の「SPACE SHOWER Music Video Awards 99」にて「BEST VIDEO OF THE YEAR」を受賞しました。
L’Arc~en~Ciel 公式YouTube から「Pieces」の music clip が視聴できます。映画のように見ごたえのある music clipです。