「浸食 〜lose control〜」
1998年7月8日、L’Arc~en~Ciel シングル「浸食 〜lose control〜」が、L’Arc〜en〜Cielとしては初の12cmシングル(マキシシングル)CDとして発売されました。発売直後のオリコン週間シングルチャートでは、初動50万枚以上を売り上げ、初登場3位を獲得しています。翌週のオリコン週間シングルチャートでは発売初週からランクアップし週間2位を獲得。翌々週には週間5位、さらに次の週には週間10位を記録し、4週連続で週間TOP10にランクインし続け、累計売上約93.8万枚を記録。惜しくもミリオンセラーとはなりませんでした。
作詞、作曲、編曲
作詞 : hyde 作曲 : ken
編曲 : L’Arc~en~Ciel & 岡野ハジメ
どんな曲?
全体的にダークで激しい曲調。イントロの古い時計の音や、不安定さ緩急のあるメロディーがクセになる曲。
収録アルバム『ray』
「浸食 〜lose control〜」は、後の1999年7月1日に発売されるアルバム『ray』の8曲目に収録されています。ラルク アルバム『ray』 もご覧ください。
タイアップ
「浸食 〜lose control〜」は1998年7月11日に日本で公開をされたトライスターピクチャーズ東宝配給映画『GODZILLA』の挿入曲。
この曲は、レコード会社から「映画『GODZILLA』のサントラの話がきてるから書き下ろさないか?」という提案があり、メンバー4人ともゴジラが好きだったことから、その提案を受けて作成されました。
カップリング曲「浸食 〜lose control〜 (control experiment mix)」
「浸食 〜lose control〜」 のカップリング曲として収録されました。yukihiroが得意とするリミックスを施した曲。全く違う雰囲気に仕上がっています。
作詞、作曲、編曲
作詞 : hyde 作曲 : ken 編曲 : yukihiro
どんな曲?
原曲よりゆっくりペースでありながら、不安定で浮遊感のあるメロディー。リミックスは人によって好き嫌いが分かれる。
エピソード
当初この曲は『GODZILLA』のサウンドトラックのみの予定でしたが、映画監督の意向により、この曲が急遽 劇中で使われることとなり、これがきっかけとなりシングルカットが決まりました。
3枚同時シングル発売の告知
「HONEY」「花葬」「浸食 〜lose control〜」のシングル3枚同時発売の内の一曲。この3枚同時発売は1998年5月13日に全国7都市の街頭ビジョンで大々的に告知されました。
リリースプロモーションとして、発売週にビルに立て籠もった指名手配犯が「3枚同時!3枚同時に持ってこい!」と要求するテレビの生中継風なテレビCMが全国放送されました。
「花葬」については ラルク シングル「花葬」 、「HONEY」については ラルク シングル「HONEY」 をぜひご覧ください。
kenの作曲能力
kenは『GODZILLA』のオファーがきた時に、もともと断片的に持っていた曲のアイデアが絶対ハマると感じ「ぜひやらせて」と作成したそうです。
kenはこの曲のイメージについて「全体的に壊れた雰囲気を出したかった。演奏自体ではなく、演奏してる時の自分が壊れてるって感じがね」と語っています。副題の「lose control」は、kenがこの曲の断片を作ったときに、自身の頭に浮かんでいた言葉で、hydeが作詞をする時に伝えたそうです。kenは感覚的に作曲していますが それをこのように曲として成立させていくのはすごい才能ですね。
hydeの作詞能力
hydeは詞を書くにあたり「まずゴジラってなんやろうと思ったら、アレじゃないですか。水爆実験で、昔に眠ってた恐竜が怪獣になったというストーリーでしょ?それでソイツが街を襲うという。だから、なんかのきっかけで自分が理性を失う瞬間って、あるじゃないですか。そういうところで書いていきましたね」と語っています。ラルクのほとんどの曲を作詞しているhydeですが、きちんとイメージを作って作詞しているんですね。
通常 変拍子の曲は売れない
作曲をしたkenも編曲に携わった岡野ハジメも、変拍子を多用した「浸食 〜lose control~」は売れないと思っていたので、チャート入りしたことに驚いたそうです。
テレビの粋な演出
1998年7月10日に出演したテレビ朝日の『ミュージックステーション』で、崩れた白い柱に血を模した液体を流す演出が行われたのですが、hydeは「普通やらないことをやってもらえて嬉しかった」、kenは「あの時間帯にこういう演出するんだ、凄いなと思った」と語っています。
L’Arc~en~Ciel 公式YouTube から「浸食 〜lose control~」の music clip が視聴できます。映像はゴジラは出てきませんが、ダークで狂気を感じさせるような映像になっています。