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ラルク ライブ『1999 GRAND CROSS TOUR』 世紀末の伝説大規模ライブ

1999年7月1日に発表された6枚目のアルバム 『ark』、7枚目のアルバム 『ray』 を引っ提げ、1999年7月17日から8月22日まで、全国6都市、12公演を開催。これまでL’Arc〜en〜Cielはライブハウスやホールなどの屋内でしたが、初めて屋外会場のみで構成されたツアーになりました。

『1999 GRAND CROSS TOUR』

誰もやっていないところでライブを開催したいというメンバーやスタッフの希望もあり、既存スタジアムや屋外競技場などを基本的に使用せず、駐車場や広場などに特設ステージを設置して開催しています。(北海道のみ例外あり)屋内会場と違い収容人数が多いため、全12公演で約65万人を動員するラルク史上最大規模のツアーとなりました。ツアー日程は以下の通り。

7月17日 大阪コスモスクエア 特設ステージ
7月18日 大阪コスモスクエア 特設ステージ
7月24日 福岡マリノア7月25日 福岡マリノア
7月31日 安比高原 特設ステージ(岩手県)
8月01日 安比高原 特設ステージ(岩手県)
8月07日 真駒内オープンスタジアム(北海道)
8月08日 真駒内オープンスタジアム(北海道)
8月14日 ポートメッセなごや 特設ステージ
8月15日 ポートメッセなごや 特設ステージ
8月21日 東京ビッグサイト 駐車場特設ステージ
8月15日 東京ビッグサイト 駐車場特設ステージ

『1999 GRAND CROSS TOUR』セットリスト

8月15日 東京ビッグサイト 駐車場特設ステージのセットリストです。

  1. trick
  2. HONEY
  3. 死の灰
  4. It’s the end
  5. Sell my Soul
  6. いばらの涙
  7. fate
  8. snow drop
  9. the silver shining
  10. 花葬
  11. 浸食 〜lose control〜
  12. Caress of Venus
  13. HEAVEN’S DRIVE
  14. DIVE TO BLUE
  15. Shout at the Devil
     アンコール
  16. Perfect Blue
  17. Driver’s High
  18. Blurry Eyes
  19. Pieces

シングル3枚同時発売、アルバム2枚同時発売と すごい勢いのままツアー開始しました。会場の規模、演出、曲すべてが最高にカッコいい!

GRAND CROSS の意味

「GRAND CROSS」とは西洋占星術の凶座相を意味し、199年8月に起こる「太陽系の惑星が地球を中心に十字に並ぶ天体現象(惑星直列)」を表しています。1999年7月に「恐怖の大王が襲来する」と、まことしやかに言われた『ノストラダムスの大予言』とも時期が重なったことから、hydeは「今回のツアーはGRAND CROSSと付けたい。これじゃなきゃヤダ」とこのツアー名になりました。

会場の規模、整備

今回のツアーは元々ライブなどを想定していない場所が多かったため、舞台を組むために整地から行う必要がありました。舞台セットを入れるためには地面を水平にすることが必要なため、地ならしや砂利入れを行い、特に大阪公演に使用した大阪コスモスクエアの駐車場は 現状だと観客を入れることができないため、許可を得たうえで大阪湾の埋め立て工事も行うほど大規模な改修を行っています。
そのおかげで福岡公演の場所は 現在マリノアシティ福岡の駐車場になり、名古屋公演のポートメッセなごやの駐車場は レゴランドとして再開発され、東京公演の東京ビッグサイトの駐車場は 東京都道304号日比谷豊洲埠頭東雲町線(晴海通り)が延伸し、後に活用されているのが嬉しいですね。

舞台セット

舞台はメインステージ横幅だけでも170mあり、中央にアルミ製の巨大な球体が設置されました。この球体は日本の大手重工業メーカーの「川崎重工業」が作成し、空気圧で前面のゲートが開閉する仕組みになっています。ただの球体ではなく宇宙船をイメージしておりコックピット装飾やバーカウンターまで設置されています。
屋外会場ということもありスタッフは炎を噴出する装置を探していましたが、日本製は炎の高さが低く広大な会場の後方からは見えないため、海外のラスベガスから巨大な炎を噴出する装置を取り寄せました。最初はレンタルの予定でしたが「今後も使えるし買った方が早くね?」と結果的に購入したそうです。
メインステージからサブステージへの移動はアメ車のオープンカーを改造したような超ド派手な装飾を施した「HEAVENS’ DRIVE号」を使用しています。

ライブツアーは大赤字?

全12公演で約65万人を動員しチケットや物販収益は相当あったはずですが、上記のような大規模土木工事、整地、巨大な舞台、装置、人件費等々でもの凄い費用が掛かっており最終的には7億か8億円くらいの赤字だったと言われています。ステージセットを運搬するため100台を超える数のツアートラックが用意され、ライブが終わるたびにステージや装置をバラし、次の会場に運び また組み立てる を繰り返すことになりますが、日程的に1組では難しく、球体のセットは2組準備していたそうです。
赤字になるのは分かっていたうえで許可を出していた事務所の社長の懐の広さを感じます。L’Arc~en~Cielだからこそ これだけ無茶なライブができたのでしょうね。

メンバーへの影響

ラルクのメンバーは後のインタビューで、RAND CROSS ツアーはL’Arc~en~Cielの歴史の中で強く印象に残っていると語っています。
hydeは自叙伝で「あのツアーはどこの会場もそうだったんだけど、地平線がね、人の海だったんですよ。あれはもう、今でも忘れられない光景だね」と語っています。
tetsuは「ラルク史上最大規模のツアーだから印象に残っています」と語っています。
kenは RAND CROSS ツアーの会場の景色をイメージして後に「LOVE FLIES」を作っています。

「L’Arc〜en〜Cielのコピーバンド企画」

ツアーイベントとして「L’Arc〜en〜Cielのコピーバンド企画」がライブ前に行われました。応募者がL’Arc~en~Cielになりきって曲を披露したり、コスプレイベントのような楽しい企画でした。なんと後にKi/oon Musicの代表者となる石川将人氏もこの企画に応募しコピーバンドの一員として参加しています。
ラルクメンバーはこの企画の様子を楽屋で見ており「似てる~」とワイワイしながら楽しんでいました。また優勝者にはhydeとkenから賞品の楽器を手渡されました。

巨大な舞台や装置だけでなく、ライブでのメンバーの衣装や演出も本当に素敵なんです! 『1999 GRAND CROSS CONCLUSION』のDVDだけでなく、8月21日に行った東京初日公演の模様を収録した『FIVE LIVE ARCHIVES』Disc2、7月17日に行った大阪初日公演の模様を収録した『FIVE LIVE ARCHIVES 2』Disc2 も凄くいいですよ!