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ラルク イメージビデオ『Siesta ~Film of Dreams~』シエスタ 1994年 メンバーの個性

1994年12月1日 L’Arc~en~Ciel のイメージビデオ『Siesta ~Film of Dreams~』がVHSとしてリリースされました。
リリース直後のオリコン週間アルバムランキングで週間5位を獲得。
2003年12月17日にDVD版がリリースされました。

『Siesta ~Film of Dreams~』

1994年7月にアルバム『Tierra』、1994年10月にシングル「Blurry Eyes」をリリースし、その2ヶ月後の1994年12月にイメージビデオ『Siesta ~Film of Dreams~』がリリースされました。
タイトルの「Siesta」とはスペイン語で「長い昼休憩、昼寝」という意味です。「昼休憩、昼寝」と聞くと のんびりした柔らかいイメージがありますが『Siesta ~Film of Dreams~』の映像はかなり個性的、刺激的で昼寝どころではありません。

収録曲、作品

  1. Opening Title
  2. Le(a) Côté
  3. A TWISTED CIRCLE
  4. un tilleul
  5. 窓 -Fenêtre-
  6. 風の行方
  7. Special present from Peaceful Land

『Siesta ~Film of Dreams~』はメンバー4人がそれぞれ企画したショートムービーやアルバム曲「風の行方」などで構成されている映像集です。tetsuいわく 4人の個性を明確に出すために作ったそうです。

Opening Title

ディレクター:二階 健
『Siesta ~Film of Dreams~』は全体的に映画監督、映像作家の「二階 健」が監督、撮影しています。
オープニングでは「この作品をより一層お楽しみ頂く為に出来るだけ部屋を暗くしてご鑑賞下さい。」と意味深な字幕表記がされます。

Le(a) Côté

主演・企画:tetsu  ディレクター:二階 健
タイトルの「Le(a) Côté」はフランス語で「ル コーテ」と読み、「側面」という意味になります。
tetsuは「ストーリーには深い意味はない。こういう事が言いたいんですっていうものはない」と語っています。tetsuはコマーシャルみたいな風景で撮りたい、ヨーロッパ映画のような雰囲気、自分で車を運転するシーン、海辺のシーンを監督に希望してできた作品です。
挿入歌は一部を除きtetsuが制作しています。
tetsuはストーリー性はないと言っていますが、お人形のような謎の少女、二人のやり取り、特に最後のシーンは何か秘めたストーリーや怖さを感じます。

A TWISTED CIRCLE

主演・企画:ken  ディレクター:二階 健
タイトルの「A TWISTED CIRCLE」は英語で「ア ツイステッド サークル」と読み、「ねじれた円」という意味になります。
kenは最初「くどさのないさりげないもの」例えば ぼのぼのとした俺の一日を撮るという案もあったそうですが、この作品は色んな意味で「さりげなさ」や「ほのぼの」とは対極のハードさです。
kenは濡れ場のシーン、人が運転している車に乗っているシーン、ピストルで撃たれるシーンを監督に希望してできた作品です。挿入歌は一部を除きkenが制作しています。
真っ赤なベッドでのかなり際どいベッドシーン、赤い丸い果実?、長毛の猫、ピストル、謎の女性、赤いスポーツカー…。kenが幼い頃から撮ってみたかったシーンということで、さすがエロ担当のkenですね。
ベッドシーンを見たtetsuは「kenのプライベートが良く表れているんじゃないか」と笑っていたそうです。

un tilleul

主演・企画:sakura  ディレクター:二階 健
タイトルの「un tilleul」はフランス語で「アン ティヨル」と読み、「菩提樹」という意味になります。
sakuraは「自分の中では凄くぶつかっているんですけど、精神社会と幼虫、サナギ、成虫という状態を関連づけて、それに比例して当てはめているんです」と独特の感性でできた作品です。監督はこの作品はアルバム『Tierra』の収録曲「Inner Core」の雰囲気そのままということで、この曲を挿入歌に使用してはどうかと提案していたそうです。実際は使われずsakuraが制作した曲が挿入歌として使われ、キーボードや民族楽器なども自分で演奏しています。
sakuraは1997年に覚せい剤取締法で逮捕されていることから、この映像はとても意味深な内容に見えてしまいます。

窓 -Fenêtre-

主演・企画:hyde  ディレクター:二階 健
タイトルの「窓 -Fenêtre-」の「Fenêtre」はフランス語で「フェネトゥル」と読み、「ウインドウ」という意味になります。
hydeは「全体的に気だるい感じ、どうなってもいいや」みたいなものを作りたいと監督に希望してできた作品です。ふわふわロングヘアーで白い衣装の超絶美人hydeと、唯一の友達である真っ白な文鳥が夢の世界と現実の世界で…。この映像はアルバム『Tierra』の収録曲「White Feathers」の歌詞そのもののイメージで作られています。
この映像で文鳥が出てきますが、hydeは最初、真っ白な鳩をイメージしていましたが、嚙まれたら痛そうという理由で文鳥にしたそうです。なんとも可愛い理由ですね。

風の行方

ディレクター:二階 健
「風の行方」はアルバム『Tierra』の8曲目に収録されているアルバム曲で、作詞 hyde、作曲 ken。
映像は ビデオスタッフから海外で撮りたいという話があり モロッコのワルザザートで撮影されていています。曲が「風の行方」に決まり、曲のイメージとしてモロッコの街並みが浮かんだそうです。
映像は現地の住人や子供たち、動物などが登場し、tetsuは羽根ペンで手紙を書き、kenは木彫りのネコを作り、sakuraはロバに乗り、hydeは景色をスケッチし大地にキス、世界遺産のアイト ベン ハッドゥも映っています。kenの木彫りのネコはhydeのアイデアで、急遽ホテルの横で木を拾ってhyde、kenで慌てて彫ったそうです。
L’Arc~en~Cielとして初めての海外渡航で、撮影のためモロッコに10日間滞在しましたが、食事や衛生面など環境が肌に合わなかったと語っています。特にhydeは「あそこまで異国だった国はない。そのあと他の国に行っても普通だなと思ってしまう」というほど普通ではなかったようです。

Special present from Peaceful Land

ディレクター:二階 健
「Special present from Peaceful Land」として「瞳に映るもの」が収録されています。「瞳に映るもの」はアルバム『Tierra』の9曲目に収録されているアルバム曲で、作詞 hyde、作曲 ken。
イメージビデオとしては異例のメンバーが全く出演しない、並木道の風景を定点で撮影した内容になっています。
hydeの低音ボイスと美しいピアノの旋律が印象的な曲です。

L’Arc~en~Ciel 公式YouTube で「風の行方」と「瞳に映るもの」の music clip が視聴できます。